富竹/梨花の死因についての考察


捜査ファイルに出てきた、

「己の爪がはがれた後も尖った石で喉を抉り続けたらしい富竹は、どうやら極度の興奮状態にあったらしい。でも薬物反応が一切検出されなかった」

というくだり。


 …そして、鬼隠し編のTIPS、富竹の死について語る大石と鑑識のじいさまの会話。



 富竹は、「興奮を原因とする突発的な脳の器質性異常の発症による自傷死」を疑われてましたが、そうではなくむしろ、
 “過剰量の体内物質の外部からの投与により興奮、投与により死亡”したのではないでしょうか。



アドレナリン。

 ttp://www.dict-keyword.com/57/26512.html



血糖値を上げたり、
興奮状態にしたり、
闘争心・攻撃性を強めたり、
幻覚を見せることもあったり、
気管支拡張の効果をもたらしたりする体内生成物、ホルモンです。




 これを過剰量投与された場合、どういう症状が現れるのかについて調べてみたのですが、
 

1.極度に興奮する。
2.痛覚が一時遮断。
3.攻撃性が強まる。
4.アドレナリン酸化物によって幻覚を見ることもある。
5.重篤(?)な気管支拡張、気管支筋弛緩が発生。
6.血糖急上昇に伴い、急性高血糖の症状を露呈。ほっとくとかなりヤバい。



 死亡前興奮していたらしく、
 喉を自分の手で爪がはがれるまで平気でかきむしり、
 角材を振り回した痕跡を残し、
 周囲の木やガードレールに叩いた痕がありながら角材には誰の皮膚片・繊維も付着してはおらず、
 窒息症状を呈してもいないのに喉をかきむしり、そして出血性ショックで死んだ、


 ……富竹の死亡時の状況に、非常によくあてはまるような気がします。


 そして、目明しでの梨花についても、


 はにゅーはにゅーと酔ったような声を出しながら脂汗を垂らし、
 自分の身体を悲鳴も上げずに平気で傷つけ、
 包丁で何度も刺し、
 自殺目的なら己の心臓を刺せば確実なものを、あえて喉を切り開いてみせ、死亡した


 と、また同様のことが言えるかと思います。





 注射器/薬物の出所は……やっぱり入江くらいしか考えられないかぁ…。
 うーん。自分の推理はすぐ入江が犯人になってしまう。いかんなぁ。






<推理以外のこと>
 捜査ファイルを読み終えてから、ふと、
 「オヤシロ様」の意味は御八代様でも親代様でもなく、「公由家」みたいに、「オヤシロ」というカタカナ4文字を組み合わせると何かの漢字になったりするのかねぇ…と思い、
 代金を払った際に貰ったアマゾンの領収書の裏に、「オヤシロ」とか「オヤシロ様」とかたくさん書きなぐっていたんですが――それらしい漢字も思いつかず、結局断念。


 ……そしてしばらく時間が経ってから、
 さてゴミを片付けるかなと思い、机の上に転がっていた捜査ファイルの領収書を手に取り、何の気なしに裏返すと――


――そこに書かれていたのは、


オヤシロ様オヤシロ様おやしろ様オヤシロオヤシロ様オヤシロ様オヤシロ様おヤシロ様オヤシロ様おやシロ様オやしろ様おやしロ様

                                   (原文まま)

こっ、怖えぇーーーッ!!



…いや、バカだなあとは自分でも思いますけどね、
皆さん、自分の筆跡で「オヤシロ様」ってたくさん書いてあるメモを見つけてごらん?
絶対ビビるよ? マジでビビるよ?