ニオス湖の災害事例について調べてみた>


 罪滅し編にて「ニオス湖」と具体名が挙がってたから、どっかの考察サイトでまとめをやってるかなーと思ったけどまあ一応、まとめてみる。



 ニオス湖ガス噴出災害


:フジテレビ 「恐怖のアンビリバボー」での特集


http://wwwc.fujitv.co.jp/unb/contents/p91_2.html


:災害支援等を行った消防庁のまとめ


http://www.bousaihaku.com/cgi-bin/hp/index.cgi?ac1=R102&ac2=R10206&ac3=1364&Page=hpd_view


:また過去には近くの別の湖でも似たような災害の事例が


http://www.nikkei-bookdirect.com/science/page/magazine/0010/lake.html


:そして災害防止のため設けられた、「ガス抜き」の光景


http://www.eqchem.s.u-tokyo.ac.jp/research/noblegas/terrestrial/2-nyos.html


:教授教授、息苦しくないっすか?


http://www.eqchem.s.u-tokyo.ac.jp/research/noblegas/terrestrial/field/field_w.html




 とりあえずこれらの記事を読むと、湖底に蓄積されたガス(厳密には湖底の水に含有されるガス)が圧力上昇、一気に解き放たれて湖上に噴出、近くの村へと流れ込み災害を引き起こした…って顛末のようですね。
 簡単に表現すると、プルタブを起こしたらコーラが吹き出しました、みたいな状況だったようです。
 炭酸ガスが主成分とみなされていたようですが、「卵の腐った匂いがした」という生存者の話やらやけどや肺水腫を起こしてた被災者の症状を考えると、火山性ガスと思われる硫化水素の混合も、ほぼ確実のようです。(硫化水素等は水分に触れ硫酸と化したりもするので)


 んで、雛見沢に当てはめて考えてみると、日本は火山帯の真上。理論上ではどこ掘っても温泉が出るくらいの国ですから、こういう災害に見舞われたって別におかしくはないわけです。
 それこそ、鬼ヶ淵の底に火山性ガスが蓄積していたのなら、圭一がバイク放り込むだけでも二日後の大災害のきっかけになったっておかしくはない。
ニオス湖の近くの湖で発生した災害の事例では、前日に起きた地滑りで湖に土砂が流れ込んだのがきっかけでガス噴出が発生した…と判断されていたり、またニオス湖の事例でも災害の前日に湖から何やら泡が出ていた…という目撃証言があったりする)


 ただ、それだと妙な点が出てきます。


1.犠牲者達の遺体の状況。
2.封鎖解除後、金属への腐食の痕跡が見られない点。
3.封鎖解除後、自然体系へのダメージの痕跡が見られない点。


 3については、大災害後から封鎖解除に至る迄の期間に、それほど多量の硫化水素の噴出が無かった…とか、あるいは最後の噴出から封鎖解除までの期間が長かったために自然体系の回復が行われた…とかいう理由でも納得はできます。
 2についてもまあ…大災害以後、金属を反応させる程の硫化水素の噴出は起こらなかった…て辺りで納得する事もまあできなくはないでしょう。


 ――ただそれだと、20年超に渡る封鎖の理由がわからなくなります。
 火山性ガスの新たな噴出という事実なくして、安全の確認された地域を長期間隔離するのは難しいと思われます。
 しかし長年の封鎖から解き放たれた雛見沢には、硫化水素の環境への被害の痕跡がはっきりと認められず、ゆえに硫化水素の噴出はさほど多くなかったとしか思えないわけです。
 …このへん、矛盾するように感じられるわけです。
 (祟殺し編のラストでは災害後、新たなガスの噴出が認められていたりもしていますが…。)


 あと、1がちょっと奇妙に感じる。
 何が奇妙かって言うと、死因です。発生当時村にいた人間は一人の生存者もなく全滅、また死因はほとんど二酸化炭素中毒死。あるいは酸素欠乏による死。
 ここでニオス湖の災害事例を見直すと、この災害の発生は夜九時。生存者の中にはもう寝てたって人も居ました。死者は寝台やら家の中のみならず、家の外、村の中にも横たわっており、また被災者にはやけど、肺水腫の症状が見られました。
 そして、生存者の中にはやけどを負いつつ逃げ出した人もいるわけです。


 …何が言いたいのかというと。
 硫化水素は水分と反応し硫酸に変わるので、もし硫化水素二酸化炭素の混合ガスに襲われた場合、人は窒息より先にいきなりやけどを負うわけです。
 いくら熟睡中でも、二酸化炭素中毒死よりも酸素欠乏死よりも先に激痛で飛び起きて逃げようとするんじゃないでしょうか。
 雛見沢はバスも通じておらず、最寄の街まで自転車で一時間という僻地です。ほとんどの村民が自家用車を持っている事でしょう。
 逃げようとすればまずその足を使うだろうし、車はある程度の密閉空間なので、車内にガスが入り込む速度も遅く、少なくとも逃げる間の窒息くらいは防げるかと思うんですが……でも、村人は全滅してますね。


 まあ、一度深呼吸したくらいでばったり、とか言うくらいの二酸化炭素濃度だったのなら、逃げる余裕も何もあったもんじゃないですし、全滅でも別に不思議じゃないんですが。
 あの混合ガスの中に放置されたら肺水腫で死ぬよりも先に二酸化炭素中毒死するだろうってのも、理解できるし。


 ただ、相続者の遺産管理を全然考慮してないっぽい20年の長きにわたる封鎖の理由といい、そして封鎖解除後すでに荒らされた後だった無人の村といい、やっぱりなんかどうもこの辺、ひっかかるんだよなぁ…。


 一応考えてみた結果としては、
「何らかのガスが村内に溢れかえったのはホントだけど、火山性ガスが沼からあふれ出て圭一の寝てた沢を下ってきたってのは国のついたウソ」かな、と考えてる。
 一村壊滅に関しては、肺水腫とか起こせるホスゲン等の旧日本軍化学兵器あたりが怪しいのですが、圭一の感じた卵の煮焦がした匂いの説明が…ちょっと強引なのしか思いつかない。(ホスゲン加水分解して生じた硫酸がどっかの黄鉄鉱と反応して硫化水素二酸化炭素になり、圭一はそれを吸った、とか)


 …うーん。これもトンデモ説の部類に入っちゃうかねぇ。


<鬼婆の野望 〜烈風伝〜>



 「アンビリバボー」の特集(一番上のURL)を見ててちょっと思ったのだが、フロンガスを加熱するだけでもホスゲンって出来るのか。
 暇潰し編を見るに、ダム闘争時既に、ダム工事予定地の一部は不法投棄場と化してたからなぁ。(←レナが根城にしているゴミ山の前身)


 ちょっと思いついた。
 “園崎の鬼婆あたりが考えそうなXデー計画”


工事予定地にゴミ捨てさせて工事妨害

ゴミ山の辺りで旧日本軍の遺棄兵器で死蔵していた化学兵器ホスゲン)をこっそりぶちまける、あとゴミ山に火をつける

工事現場で被害多数

「園崎が毒ガス撒きやがったんだろ」って事で調べられるが、ゴミ捨て場からフロンガス含有の産廃が沢山見つかる

「ああ、コレがゴミ山の不審火で加熱されてホスゲンに変わってダム工事現場を襲ったんだネ!」って結論になる(ミスリード

ゴミは不法投棄なので村内の誰のせいでもない

国側に多大な被害を与えながらも、園崎無罪

またさらなるガス発生の危険があるため、どうしても一定期間(ゴミの撤去が終わるまで)、工事は中断させられる

鬼婆が笑う



カバーストーリーとしては悪くないんだけどな。
…これ大災害に転用できないかなぁ。



<20:00追記>


 あ。22日午前中に、雛見沢に向かった新聞配達車×2と警邏車が、詳細な連絡取る間もなく音信途絶してたんだっけ…。(祟殺し編での事ですが)
 ガスの殺傷力から言ってきっと、車乗って逃げ出すどころの話じゃないな。
 濃度が半端ないって事はこれで証明されてたのか…。
 訂正。上の1…「犠牲者の死に方が変」って事に関しては、別に不審じゃない。