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<「終末作戦」と「34号」の区別について>
皆殺し編でごちゃごちゃしててわかんねえ、と思ったのが上記の関係。
とりあえず、判明している作戦の流れからふたつを分けると。
終末作戦
第一段階:鷹野三佐、入江機関より重要書類13点を回収後、雛見沢より脱出。
電話線一時切断、妨害電波による無線封鎖を実施。
第二段階以降:鷹野指揮所到達、死体偽装工作実施、梨花殺害、…
緊急時34号マニュアル
装備実験中隊による集落封鎖、
偽装警官による交通封鎖および偽装ガス噴霧による脱出者の抑止。
ガス災害による避難を装った全住民の特定施設への移送後、
ガス噴霧によりこれを処理。逃亡者は銃殺。
処理された遺体は遺体袋に入れ校庭に移動、銃殺体は独自に処理。
入江機関の機密隠蔽及び、生存者のサーチアンドデストロイ。
その後、災害出動の一般部隊と引継ぎ。帰投。
てな感じになるかと思われます。
でここで気になってくるのが、姿を消した鷹野の移動先なんですな。
富竹を(いろいろな意味で)捨てた後、トレーラーに偽装された指揮所に彼女は移動するわけなんですが…彼女が現場指揮を執っています。そしてここには装備実験中隊の中隊長までいる模様。しかも彼女は上官っぽい物言いをしております。
そして死んでいるはずの鷹野が中隊長に顔をさらしている事から考えると、この中隊ってのもまた…山狗同様、入江や富竹のいる側とは立ち位置を異にする部隊なのでしょう。
加えて、鷹野の偽装死体の工作もここの指揮所を通じて行われています。
…要するに、何が言いたいのかというと。
(いや、バカなもんで読んでても全っ然気付かなかったのですが)
政府としては、梨花の死を耳にすれば…どうしたって村を殲滅させる作戦の決裁をしなければならないわけですが。
ただ、政府に命じられて出動して、緊急マニュアル34号に従って機密保持のため、村人達に手を下す連中は…「そういう事になるとあらかじめ知っていた」んですね。この話。
装備実験中隊の中隊長らしき人物が、「終末作戦」に使われている指揮所にいて、死んだ事になってるはずの鷹野の指示を受けている事がその証拠だろうと思われます。
要するに。この「終末作戦」ってのは「34号」の実施を内包する作戦であり、作戦指揮者が鷹野、第一段階の諸準備やら死体偽装やらカルテ偽装やら梨花殺害やらをやるのが山狗、そして予備命令を受けて出動し、大災害に見せかけ村落一つを全滅させるのが装備実験中隊…といったような配役がはじめからなされているものなのだろう、と考えられるわけです。
で、ここで。
恐らくは雛見沢症候群の一触即発みたいな危険性が把握されていた頃から存在していただろう「34号」についてはさておいて。
「34号」の実施を切り離した「終末作戦」というもののみについてちょっと考えてみます。
終末作戦で達成された目標てのは、
…富竹殺害・鷹野偽装死(東京の疑いを入江に向けさせる為の工作)、
…入江機関の機密回収、
…梨花殺害。
だいたいこんなところでしょうか。
なぜこんな作戦を実施するのかについては、鷹野が富竹に語っている「爆弾を派手に爆発させたい人もいる」ってあたりが答えになるのでしょうけれども。
でもこれ…自分の事なんじゃねえのかな、とも思うんですよね。
皆殺し編のラスト。
高野一二三から小泉大佐に送られた戦争最高会議宛の書簡らしき文面(女王感染者についての報告)でも、締めは「もし女王感染者がいなくなって皆が末期発症したら大規模叛乱として武力鎮圧するしかない」になっています。
皆殺し編の児童相談所の言い分じゃないですが、…この一二三の提案自体が讒言だったとしたら。
「女王感染者」っていう架空の起爆スイッチを信じさせる事によって、雛見沢に仕掛けた爆弾を派手に爆発させる(正確には爆発することのないニセ爆弾を爆破処理してしまう、だが)ことができるかも知れないわけですね。
つうか、一二三もまた鷹野とよく似たやり方で「神になろうとした」可能性があるんじゃないのかな、とも思うわけです。
戦時下だし。
現代よりいろいろとやりやすいし。(口を慎め)
まあとにかく、もしも女王感染者っていうのがフカシだった場合。
雛見沢症候群っていうのはもう、入江が治療の目処を立ててしまったわけで。
(そしてそれが富竹相手の研究報告で明らかにされてしまったわけで)
雛見沢という爆弾を派手に爆発させたいと考えているのならば、鷹野にはもう猶予がないとも言えるわけです。
それゆえに…ハッタリの底が割れる前に、富竹を殺し、入江を填め、梨花を殺して大災害を起こすしかなかった、と見る事もできるわけです。
まあ――女王感染者の重要性については入江も言及しているので、彼もまたグルでなければ難しいだろう、とは思うのですが。
入江は…グルと考えるには失うものが多過ぎるためたぶん違うだろう、と思われます。
でも、この仮説には何か抜け道があるのかも知れない。
<祭囃し編を考えてみる>
祭囃子編での突破口(大災害フラグ潰し&大団円)について少し考えてみます。
もし仮に皆殺し編での梨花の死が他編と似たような扱いになるならば、祭囃し編での梨花はまたまた死亡直前の記憶(下手人が誰かなど)をすっ飛ばしてしまっていて、彼女は再び鷹野や山狗達と普通につきあってしまう可能性が高いわけですが…
…しかしながら、こういう記憶削除がなされない人々ってのも存在するわけです。
それは圭一達。
皆殺し編までに他編の記憶を多少なりとも蘇らせられたのは圭一とレナくらいのものですが、例えば圭一は梨花ほど色々克明に思い出せてはいないものの、鬼隠し編での自分が死亡する直前の記憶などを普通に思い出しているわけです。
レナも圭一ほどではありませんが、梨花のように死亡前日の夕方まで遡って記憶を削られてたりはしていない、ということが語る内容からも見て取れます。
彼らが他編の記憶をひょいっと思い出せば、それだけでかなり早くから団結し、対抗策を練ることも可能でしょう。