罪滅し編の感想

罪滅し編を終了しました。
とりあえず三回涙をこぼしました。(お前いくつだ)


今日のところは考察ではなく感想。


 とりあえず、…成田良悟?と思った。
 巨大な爆弾と化した校舎の屋上でレナと圭一が思う存分ナタとバットで打ち合う…。
 劇中の魅音の台詞に「全米ナンバーワン」ってのがあったがまさにそんな感じ。ハリウッドかよ!みたいな。
 あの一種爽快なラストシーンは絶対、レナと圭一が最後の一撃を交わした瞬間に散った火花が気化ガソリンに引火して校舎大爆発で終わると寸前まで思っていました。
 しかし予想を遥かに飛び越え、二人で校舎屋上に立ちカーテンコール。運命に立ち向かう宣誓。
 俺達の闘いはまだ始まったばかりなのですか!? 少年漫画なのかっ!?


 しかし……レナ父の話とか、レナの話とか――実に身につまされる内容だった。
 うーん、本来ここにあまりこういう事は書くべきではないとは思うんですが……私も仕事の関係で田舎を出て引越したりしたんですけど、仕事上や生活上でうまく行かなくて「帰れ帰れ帰るべきだ」っていう内心の自分の声がずっと聞こえてた時期があるんです。ていうか今もずっ(略)
 …帰ってもいい事はない、自分の存在する余地はない、仕事はもっとないと解っているのに「帰るべきだ帰るべきだ」と(自分が)ささやく。
 まあでもこういう現象というのは私の場合単に、苦痛がわずかに少なかった学生時代への一種の回帰願望に過ぎない。
 いい思い出とか、田舎に全く思い入れのない私ですらこうなるんだから、…田舎で幸せに暮らしてた頃の記憶を持ってヨソで辛い生活を送らねばならない人の“ホームシック”ってのには…それこそ、この「罪滅し編」で多少大げさに語られてるくらいの「魔力」「呪詛性」があってもおかしくねえんじゃねえのかなー、と思います。
 でもあくまでそれは近似性のある経験を持つ私ならではの感想なのであって、ノーマルな読み手の人には「レナちょっと大げさ」「鷹野ちょっと大げさ」って伝わるかも知れないなー、と思った。


 冒頭のシーンは良かった。FF10っぽかったがとても印象的だった。


 「祟殺し編11.5日目」でアジテーションという単語を使ったが、罪滅し編にも使われててちょっと驚いた。
 圭一の口先はやはり扇動以外の何物でもなかったらしい。


 祟殺し編で死体が消えていた件は、魅音が気を利かせてくれたって事でいいのかな?
 富竹の遺体発見現場と近すぎるから、移動しました…という事で。


 梨花のマジ顔が似合っていないのがまたいい。
 普段あまりしない表情、てのは普通ああいうもんだし。
 また凄い台詞が目白押しだった。
 「おいで鉈女。」……こういう口利けるのこの人だけだよなぁ。


 すれ違いが喜劇を生み、てっきりそのまま悲劇になるもんだと思ってたんですが――
 圭一が予想以上に頑張って、それなりに悲劇を回避しましたね。
 こういうのはてっきり、皆殺し編あたりで迎える結末なんじゃないのかと思ってた。
 これ、オーラスへ向けての布石なのかな。


 罪滅し編でそれなりに努力が結実した結末に持っていって、そして皆殺し編でひっくり返す腹積もりなのかもしれない、と思った。
 「大災害には勝てませんでした」みたいな全滅エンドにして。
 …で、祭囃し編で誰も死なないエンドに各キャラクター達の努力によって到達したような形にして、きっちりと締めると。


 「ひぐらしのなく頃に」という物語全体を通してみると、今大体、サウンドノベル「ひとかた」
http://www.freem.ne.jp/game/rev/248.html
 の最終ループ二個手前にさしかかったようなあたりなのかな、と当てずっぽうを言ってみる。
 「CROSS†CHANNEL」で言うと、固有太一が発生するあたり。



 編の感想としては、圭一が頑張りすぎてしまったのでちょっとカタルシスが足りない気がしました。爽快で痛快な物語ではあったんですけどね。
 死人を出さないにしても、せっかく巧みなすれ違いによって警察やら園崎組の人やらがレナを追い回す状況(しかもレナはその理由を誤解している)というものを作り上げたんだから、追っ手にレナが怪我を負わせてしまう……くらいの追い込みはあっても良かったんじゃないかなー、と思います。



<追記>

うっ。


追加されたTIPSを読んだらやっぱり村は滅んでたんですね。翌日に。6月26日に。
その後災害が起きました、てのは単に語られないだけかな、と思ったんですけども。ちゃんと語られてました。
梨花が死に、入江が死に、大災害が起きる。


問題はなぜ6月26日になったのか、ですね。
祟殺し編では22日でしたし、梨花達の死も災害発生の一日前でした。
入江や梨花の不審死が把握されてる以上、恐らく彼らは26日の朝殺されて、そして深夜に大災害が起きたのでしょうね。


こうなってくると俄然力を持ってくるのが、綿流し編で大災害が起こらなかった理由…つまり、「詩音が暴走して殺してしまった連中の中にたまたま大災害のスイッチ握ってる奴がいた」という詩音強運説(?)なんですが、

どうもおりょうや公由はフェイクっぽいですね。
行方不明になる沙都子は怪しいわけですが……
――私は、魅音という可能性もあると考えました。

つまり、大災害を生き延び後に自殺した詩音は詩音ではなく魅音である、という考え方です。
この推理も、罪滅し編を終えた後で考えてゆくととても悲しい話なんですが…。
後日、少し考えてみるとします。