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祟殺し編の６月２１日、診療所にて鷹野の死を聞かされた際、入江はこんな事を口走ります。
「リサさんが死に、鷹野さんが死に…。雛見沢に、一体何が起こっているというんですか。
まさか、これが今年の祟りなんて言うんじゃないでしょうね…！」
リサという人物名が出てくるのはここだけなので、当初誤植かとも考えられていましたが、作者の方が違う、と明言されました。つまりリサって人が存在するわけですね。少なくとも入江の認識の中には。
今日はこの、リサさんが誰なのかについて考えてみたいと思います。
まず、入江の発言から把握できること。（入江の認識）
１．リサは６月２１日時点で死んでいる。ただ、今年の祟りを疑われる以上、時間的にそう離れた話でもないらしい。
２．リサは鷹野よりも前に死んでいる。少なくとも入江はその死を先に把握している。
３．リサの死はどうも自然死とは言いがたいものらしい。憶測とは言え入江が祟りに連ねている以上、少なくとも祟りの可能性を疑う余地くらいはある死に方。
これらを踏まえつつ、
鷹野より先に死ぬ、あるいはその死が入江の耳に届く可能性のある人物は以下の三名。
間宮リナ（律子）
北条鉄平
富竹ジロウ
物語で語られない部分においてリサという人物が密かに死んだりしているのではない限り、この中に入江の言う「リサ」が含まれているんだと思われます。
で、鉄平とジロウは…ちょっと考えにくいため（男装にしては体格や声などの問題があるし、性転換も考えにくいでしょう）恐らくここでは、間宮律子のことを「リサ」と呼んでいるのだと思われます。
店ではリナで本名は律子。水商売の女性ですから、別の店にいた時は別の源氏名を名乗っていた可能性もあり、その名前がリサだった可能性もあるでしょう。
加えて、ブルーマーメイドの接客スタイルと、入江が公然と口にしてもいる特殊な趣味のことを考えあわせると、両者が知り合いであったとしたところでそう不自然ではありません。
…で、その律子のヒモが北条鉄平なわけです。
…ここから先ですが、いくつかの推理を思いついたので、とりあえず順番に書いてゆきます。
その１。
“リサ＝律子 ５７年と５８年の事件は入江と律子の共謀”説
入江はリサ（律子）と結ばれたいと考えていたが、リサには北条鉄平という悪い虫がついており、リサもまた鉄平から逃れたいと考えていた。
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入江、北条家の家庭環境を利用し、悟史を誘導して鉄平の妻を殺害させる。
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夫婦仲が悪く愛人の元で別居中だった鉄平が、妻が邪魔になり殺した、という筋書きになって鉄平が捕まるはずが、下手人の悟史が疑われてしまう。
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作戦失敗。
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リサ、元園崎関係者の数人の男の協力を得、園崎から消される理由を作り出しつつ、自分に似た年恰好の女性を、男達の知識を元に園崎流の拷問を加え惨殺。
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顔面にも酷い損壊を与え、ドブ川に遺体を放り込む。
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リサ、姿を消す。やがて遺体が発見されその拷問跡から間宮律子ということになる。
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鉄平はリサをあちこち探し回った挙句、やむなく雛見沢へ帰ってくる。
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入江、昨年同様、鉄平と沙都子との生活状況を利用し、圭一を誘導して鉄平を殺害させる。
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律子と入江、目的達成。
…ハイ。自分で言うのもなんですが、すっごい安っぽい筋書きですねコレ。
一番「ひぐらし」らしくない真相だと思います。
でもテレビや新聞で報道されてるような、現実に起きる事件ってのはだいたいこんなもんであることが多いですね。（ああ、犯行理由の部分だけね）
この考えは穴だらけで、この筋書きをたどるには鉄平が愛人を作る時期が遅すぎたり、また間宮律子が姿を消すにあたり「殺される理由」と「自分と誤認される惨殺死体」まで用意しているのがあからさまに不自然だったりなど、色々と問題点があります。叔母や鉄平を殺させるタイミングも別に綿流しの夜である必要が皆無です。
おそらくははずれでしょう。
その２。
“リサ＝失踪した梨花の母親 間宮律子に利用された”説
オヤシロ様の祟りを鎮めると書き残して失踪した梨花の母親、実は生きていた。
（とりあえず古手リサと呼ぶ）
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恐らく、何らかの形で夫を自分の手で死に至らしめるような事をしてしまった。
それを自然死と収めてくれた入江の保護下、リサは隠れ住むような暮らしをしている。
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その事情を知る鷹野三四あたりと手を組んだ間宮律子、身代わりに丁度いいと、鷹野の手引きでリサを連れ出す。「娘の姿を見たくないか」とか言うかも。
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律子の保険証で歯医者に行かせる。
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上納金とヤクに手をつける。一億騙し取る。
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リサを園崎流の拷問で顔面に損壊を与えつつ惨殺。拷問の痕跡を残す遺体を、腐敗が早く、適当な時間経過の後に発見されそうな場所に投棄。
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鷹野の協力を得て姿を隠し、死体が発見されるのを待つ。
遺体は損壊が酷いので照合はおそらく歯型。律子ということになる。
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消えたリサの行方を捜していた入江、発見された遺体が律子ではなくリサであることに気付く。
古手リサ、という勝手にくっつけた名前の響きだけで思いついたような推理です。
この考えにも問題点がたくさんあり、入江がこっそり「リサ」をかくまうような真似をする理由がなかったり、鷹野と律子が組む必然性がなかったり、身元をわからなくする為にしては鼻と耳だけの損壊にとどまっていたりとか、あと現場に呼ばれたわけでもない入江がなぜ死体が律子ではなくリサであると気付いたのかなど、曖昧な点が目立ちます。
それに、人一人殺すにしても数人で共謀して利益が一億ってのは少し弱い気もしますね。誰から追われるかを考えると特に。
これも違うかなあと思います。
その３、“リサ＝古手リサ、間宮と鷹野と入江の駆け引きに利用された”説
＊１と２を混ぜました。すんごいややこしいです。
リサは梨花の母親で夫を手にかけてしまい（中略）入江の保護下にあった。
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入江、愛する律子と結ばれるべくヒモの鉄平を自ら手を下さず始末しようと決意。
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悟史が叔母を殺害するよう仕向け、冤罪での鉄平の逮捕を狙うが失敗。
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鷹野、入江のこの動きやリサの生存を知る。
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律子もまた入江と結ばれたいものの、実は鉄平をどうにかするだけではもうどうにもならず、上納金やヤクのつまみ食いで既に首がまわらなくなっていた。このままではいずれ処刑される。
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村内の動きを探りたい鷹野、その間宮律子に“消える”為の計画を持ちかける。
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鷹野の手引きで律子以下元園崎関係者数名、リサを連れ出す。
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律子と誤認させるような工作をしてから園崎流の拷問を加え殺害。死体遺棄。
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律子、鷹野の手を借り姿を消す。
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揚がった死体、律子とされる。しかし姿を消したリサを追っていた入江、死体がリサと気付く。律子とリサとが線でつながることに疑問を抱く。
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潜伏中の律子、綿流し前頃に鷹野に殺される。死体はドラム缶に入れて時限発火装置を仕掛けられ岐阜県へ。
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綿流し。鷹野、富竹とともに祭具殿へと侵入。殺される理由を作る。
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鷹野、姿を消す。岐阜で鷹野の歯形を持った律子の焼死体が見つかる。（三年前に保険証を貸したかカルテを摩り替えたかした）
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鉄平を殺すよう仕向けていた圭一が診療所を訪れ、鉄平殺害を告げる。
入江、二年越しの目的達成。
これで律子と結ばれることができると考える。
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入江の元へ、鷹野遺体発見の報が届く。
「リサさんが死に、鷹野さんが死に…。雛見沢に、一体何が起こっているというんですか。
まさか、これが今年の祟りなんて言うんじゃないでしょうね…！」
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入江、やがて、律子の死体がリサだったように、鷹野の死体が誰か別の人物のものであるかも知れないと考える。
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そして――その死体は愛する律子のもの、という結論に至る。
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入江絶叫。
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律子は死んだ事にして行方をくらまし、鷹野もまた死んだ事にして行方をくらました。
入江もまた同じ方法を用いる。仮死状態となり、男性スタッフに「自殺していた、蘇生に失敗した」と警察に告げさせる。
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２２日朝、小宮山来訪。死体を調べ、事情聴取をし、事件性が皆無と見るや大石車の捜索へと戻ってゆく。
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男性スタッフの手を借り入江蘇生。その昏い瞳に宿す目的は復讐の二文字。
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生きていない女を追いかける、死んだはずの男。
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そして…
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続く。（なめんな）
最後の方が映画のようになっています。なめんな。
この推理もまた穴だらけで、特に一番弱いのが、鷹野さんの行動理由です。この推理が正しいと、自分の知的興味だけで行動した結果三人くらい死に追いやっている計算になります。（リサ・富竹・律子） さすがにそれはないでしょうね（笑）。
入江が死を偽装する理由もわかりません。鷹野も同様。
というか無理がありすぎですねこの推理。
私としては、この後、死んだはずの二人が争った結果、梨花が犠牲になったり大災害の引き金が引かれたりすると非常に面白いと思うのですが。（それはお前の願望だろう）
うーん。入江−律子−鉄平、という三角関係自体、やっぱりありえないかな…。
ただこの推理をしていて気になったのが、目明し編の死体発見時の状況です。
身許がわからないくらい顔面が潰してあったのがどうも気になるんですよね。
抵抗の傷跡がないから初撃は後頭部らしいんですが、――死体が移動させられていない？以上、あおむかせて顔面を殴った奴、別にいるんじゃないかなって思うんですよ。
あとその死体も本当に叔母なのかという疑問も。
根拠はないんですが。
まだまだ、色々な方向から考えていきたいです。
追記：
その４、
“富竹あるいは鉄平の、オカマバーでの源氏名がリサ”説
…いっ、嫌ああああああああ！！
