祟殺し編 空白の6月21日(つづき)

詩音「…じゃあ、父さんとの結婚を認めてもらいに行って断られて、母さんと鬼婆が真剣持ち出して斬り合いになった時って、父さんは何してたの?
 やっぱり横でオロオロしてたの?
 想像できないな〜。」
茜「何言ってるんだい。あの父さんがそんな事で取り乱すわけないじゃないか。斬り合いの間中ずっと落ち着いてたよ」
詩音「お、落ち着くったって…目の前で結婚相手とその母親が日本刀振り回してるんだよ?
 父さんは落ち着いて何してたの?」
茜「アハハ。父さんはあの状況でもちゃんと冷静に、自分のするべき事をしてたよ」
詩音「するべき事? 何それ? 二人を止めに入ったとか?」
茜「いや、別に止めたりはしなかったねえ」
詩音「じゃあまさか…自分も刃物を抜いて、母さんに加勢したとか?」 
茜「アハハそんな事するわけないじゃないか。これは母さんと鬼婆様のケンカなんだから」
詩音「? 止めもせず、加勢もせず、落ち着いてやる事…って?」
茜「何言ってるんだいこの子は。
 …ホラ、そういう鉄火場にはさ、“物凄く落ち着いてる人じゃないと勤まらない役”ってのがしっかりとあるじゃないか」
詩音「?」
茜「あたしゃあれで惚れ直したね」
詩音「…???」


茜「あーあんたにも見せたかったなー、父さんの名審判ぶり」
詩音「審判ッ!?」




すごいぞ。園崎父。


* * *


 カウンタも落ち着いて参りました。一安心。(小心者)