(…テメーの考察は祟殺し編ばっかだなオイ)



 さて、今日は「なぜ圭一は大災害から生き残ったのか」について考えてみたいと思います。


 これについては以前、公式の方の魅ぃ掲示板でちょっと自説を書き込んだりもしたのですが、同じ考え方の人はどちらかというと少なかったような感触を覚えています。
 ちなみにその時、多かったのは、
「ガスはそもそも沼から出て沢を下って圭一を直撃なんてしていなかった」と、
「誰かが圭一を移動した」
 の二つの説だった…ような気がします。




 まず、そもそも「圭一が大災害からあり得ない生き残り方をしている」と言われている理由から確認してゆきます。



1、6月21日朝、圭一、沙都子により吊橋の上から突き落とされる。一昼夜意識を失う。

2、6月22日未明、大災害発生。

3、後の調査で温泉とマグマ溜まりの発見された鬼ヶ淵沼より、硫化水素二酸化炭素の混合ガスが噴出し、村に向けて下っていった…というシミュレートが為される。

4、圭一が一昼夜意識を失っていたとされる吊橋下の川原がそのガス流の通り道に。

5、6月22日朝、圭一意識を取り戻す。

6、雛見沢分校前に移動、自衛隊に保護される。

7、肺水腫を起こしかけ意識不明に。しかし治療の結果持ち直す。



 普通に考えると、低地に向かって流れてゆくガスの通り道で気絶していたなら圭一が生きていようはずもありません。
 なのになぜお前は生きているのか。KOOLか。KOOLだからなのか。…という話になってくるわけなのですが、私は“圭一はそもそもその川原にはいなかった”と考えています。



 そう思う理由。

 圭一は気絶から回復後、雛見沢に戻ろうとします。


「沢を下り、獣道のような林道を抜け、見知った道を求めてでたらめに歩く。
その内にようやく馴染んだ道に行き当たり、俺は診療所を目指して歩き出す」


 見知った道に出てから、圭一は辺りを覆う「卵を煮焦がしたような」異臭に気付きます。
 続けて、セミの声がない事や、季節外れの落ち葉、黄色や茶色への変色の見られる雑草、虫の死骸等に気付きます。


 やがて、雛見沢分校へとたどり着いた圭一は、自衛隊員に保護されます。
 事情の説明を求める圭一に、自衛隊員は圭一がこれまでどこに居たのかを尋ねるのですが、その時の圭一の答えはこうです。


「ずーっと山に入ったところにある吊り橋から…落っこちて。
 河原で、多分気絶してました。今日が何曜日かもわからないです」


 “ずーっと山に入ったところにある吊り橋の下にある河原にいた”とこの時の圭一は語っています。


 で、大災害発生の事実を知らされ、やがて容態急変。一命を取り留めるものの、圭一は何もかもを秘したまま一切の面会謝絶、そして二ヵ月後の自殺未遂を機に別の医療施設に移送され、そのまま病院暮らしを送ることに。


 後の平成15年に、平成7年に事故死した元記者の遺品より発見された、11月28日の日付のある「前原圭一」と記されたテープには、圭一へのインタビューめいた会話が録音されていました。
 そこで、圭一は昭和58年6月21日の自分の所在をこう説明しています。


記者「圭一くんは、あの大災害の夜(21日夜)、どこにいたのかな?」
圭一「神社から裏に抜けて…ずっと林道を進んで。吊り橋があるんですよ。
   山に入る少し前に。そこから落ちて気を失っていました。」


 この時の圭一の発言内容は、自衛隊に語ったものとは異なります。
 ずーっと山に入ったところにある吊り橋と、山に入る少し前の吊り橋では、大きく位置が異なってくると思われます。


記者「さて、次に圭一くんが落ちたというつり橋なんだけど、ココだよね?
   神社の裏から林道を抜けて至る吊り橋というのは。」
圭一「多分。俺もあんまり行かないところなので自信はないですが」


 この時点で既に、記者の示した吊り橋は、実際に圭一の突き落とされた吊り橋とは違うように感じます。
 「神社の裏から林道を抜けて至る吊り橋」…つまり、記者は圭一の発言を受け、“山の中にある吊り橋以外の吊り橋”を示している可能性があります。
 つまり、古手神社の先の林道は一本道ではなく、「ずーっと山に入っていった先に吊り橋のある道」と「林道を進んで山に入る手前に吊り橋のある道」とが存在する可能性があるという事です。
 圭一は自身でも告白しているとおりこの付近は詳しくないため、半年後に地図を見せられ違う吊り橋を示されても、間違いに気付く可能性は低いです。
 それに圭一からして見れば、単に逃げる沙都子を追って辿りついた場所に過ぎません。


 違う吊り橋、と言っても、別にそれほど遠ざかる必要はありません。
 要は、圭一の気絶していた河原が、ガスの通り道となったとシミュレートされた河原、あるいはその下流の河原でさえなければ、ガス流の直撃を受けずにすむわけです。
 気絶から回復後、雛見沢へ戻ろうとする圭一は道がわからないままに歩きはじめます。
 そして、異臭に気付くのは、見慣れた道…雛見沢村内と確認できる場所へと辿り着いた後でした。
 

 私は、“圭一は問題の河原からさほど離れたところにはない、別の河原で気絶していたのではないか”と思います。
 吊り橋の位置を取り違えた為、このような誤解が生じたのではないかと思われます。
 以上、「圭一が何故ガスから生き延びたのか」についての考察でした。





*** 今日の思いつき推理 ***


 今日思いついた適当な推理です。



「綿流しとは、ミイラ製作の一工程なのではないか」



オヤシロ様のご神体の中身は綿流し(内臓切除)した後に残る遺体を乾燥保存させたもの、つまりミイラ
 ↓
ゆえに祭具殿へは一般人立ち入り禁止。(梨花「あの中には、猫さんの怖がるものが沢山あったのです」)
 ↓
こういうミイラは文化財ではなく死体なので、祭具殿への捜査請求も過剰反応で却下される(県議が警察にねじ込んでくる)
 ↓
幼い頃、沙都子が隠れんぼで祭具殿に屋根から侵入。
オヤシロ様のご神体を破壊する。(右腕)
 ↓
ご神体を復元しなければならない。その為には、「綿流しされた人」の右手が必要。
それには当然、「綿流し」をやらなければならない。
折しもダム闘争。“綿流し”のターゲットが村中の憎悪の集中する現場監督に。
 ↓
綿流し当日、主犯格の男の誘導によって、殺害〜遺体切断〜各自で処分という流れが作られる。
主犯格の男、現場監督の右手を獲得。
 ↓
主犯格の男が消され、現場監督の右手を用いてオヤシロ様のご神体の修復が成る。




 うーん。これだと二年目以降の説明がつかない…。




ご神体がうまく修復できなかったので新しい体を使うことにしました

ミイラ作り(綿流し)に適した身体の人(女子供?)を綿流しの日に一人さらいます

うまく作れませんでした

またさらいます


 …。いや、こいつは推理とは呼べないか…。






13:00追記


硫化水素について


硫化水素について少し調べてみました。
温泉からの噴出例も、国内で比較的近年に発生しているようですね。
圭一が肺水腫を起こしかけたのも納得の成分内容です。(毒性強い)


ただ、「硫化水素は植物に対する毒性が弱い」という点がどうも気になります。
硫化水素の場合、ガスへの高反応を示す植物でさえ外面の変化(可視変化)に4〜5時間かかるそうです。


ガスの予測発生時間から、意識を取り戻した圭一が雛見沢に到達するまでの時間と、
枯葉が落ちていたり雑草が変色していたりという雛見沢の状態を考え合わせると、
少し違和感を覚えます。



参考URL:
ttp://www.iamp.tohoku.ac.jp/~liquid/MURA/hitorigoto/gas-kiji/h2s.html



*さらに追記


…こちらの参考URLの下の方に、気になる事故の記述が。
“2km先にある源泉が積雪で埋まり、硫化ガスが沢から流れ旅館の宿泊客に被害”


 少し気になったため、この事故について調べてみたのですが、
 この温泉場は常に低濃度の硫化水素特有の香りが漂っている場所で(高濃度の硫化水素は無臭)、“地獄”と呼称される源泉が近くにあるそうです。
 その“地獄”こと温泉&硫化水素の噴出場所付近は、草木の生えない妙な色の岩のごろごろした一帯となっているそうです。有名な温泉場では割と見かける景色ですね。
 で、この旅館から2キロ先の源泉が多量の降雪で蓋をされ、行き場を失った硫化水素が、代わりに同じ温泉の別の湧出場所である旅館間近の沢から噴出、沢を下って旅館を直撃、内部の宿泊客に被害をもたらした、という事らしいです。


 この事故発生の経緯を雛見沢に当てはめて考えてみると、


 21日、普段、致死量の硫化水素が噴出し発散されている場所が塞がれる
  ↓
 22日未明、村の近くの温泉源泉(鬼ヶ淵沼)または村各所の地下水口より硫化水素噴出
  ↓
 村を直撃、死者多数


 なんていう構図も考えられるわけです。



 つまり何が言いてえのかというと、硫化水素の噴出は、何も偶発的な要素のみに左右されるものではない”という事です。



 これならば、
1、「普段硫化水素が噴出している場所」を知っていて、
2、「硫化水素の噴出口を塞ぐ手段」を有し、
3、“ここの噴出口を塞げば雛見沢から噴出する”という計算に基づく確信があれば、
 とくに何のからくりもギミックも必要とせず、大災害を人為的に起こすことができます。



 「過去、鬼ヶ淵から噴出した硫化水素を他の土地に向けるため、フレデリカあたりが意図的に硫化水素の逃げ道を作っていた」なんて歴史があって、それを知り利用する人間がいて、そして現在もなお雛見沢の周辺地域(興宮とか)で温泉が存在したりしていなければ、雛見沢大災害を人為的に発生させる事は、十分に可能と思われます。


 …ただ、もし仮にそうだったとしても、温泉は沼の底にあります。
 過去の時代の技術でそこに硫化水素の逃げ道をつくる、なんていうのは難しそうです。
 しかし、村に被害が出ない程度に距離の離れた、人の来ない場所に温泉の湧出口を掘りまくって、そのまま放置、なんて事だったら昔の技術でも可能かも知れません。
 温泉水脈の出口を分散させる意味でも、十分有効な手段と言えるでしょう。


 で、大災害を起こしたい人は、その温泉場(隠し湯?)を全部塞いで回る。
 噴出孔付近を爆破して埋めるとか。
 あるいは温泉に液体窒素放り込むとか。(←溶けるだろ)


 すると出口をことごとく失った硫化水素は一気に鬼ヶ淵沼、あるいは村内の各所から噴出、村内に充満し、多大なる被害を及ぼす。 
 村全滅、人為的な大災害の出来上がり。 
 


 
 魅音が言っていた「遠くの泉が枯れたら村の井戸も枯れた」って表現は、何となくですが、コレの事を指しているような気がします。