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昨日の「大災害を人為的に起こす方法」について付け足し。
“人の立ち入らない雛見沢の奥地に隠し湯…というか温泉の源泉&硫化水素の噴出地がいくつかあり、それらの噴出孔を塞ぐことによって鬼ヶ淵沼直下の温泉あるいは雛見沢の地下水口から硫化水素が噴出、村を人為的かつ計画的に滅ぼすことができる”…と昨日書いたのですが、よくよく考えてみたら、これだけでは村を滅ぼせないんですね。
「鬼が地の底の国から湧いて出た」という過去の言い伝えを、イコール硫化水素ガスの噴出、と考えた場合、過去にも同じような災害が起きていた、と推測されます。
しかし、生存者ほぼ皆無…という雛見沢大災害の被害状況から判断すると、同じような災害が過去に起きていたのなら村は一度壊滅しているはずです。
もし仮に、現在の村人達が、「災害の発生により死の村となった雛見沢に入植してきた者達の末裔」と考えたとしても、その場合は村に伝わる伝説自体が変化するはずです。
少なくとも、「鬼が地の底からやってきたけど村人達は村から出てゆけなかった」とか「オヤシロ様が人と鬼とを調停した」とかその辺のくだりは変化せざるを得ないでしょう。
生存者ゼロ、一村落壊滅という自然災害から作り出された伝説とはとても思えません。
鬼隠し編で大石から昔話を聞かされた圭一のツッコミではありませんが、「母も息子も仲良く鬼に食べられてしまったのならそもそも言い伝えになるはずがない」って奴ですね。
この点から、もし過去にガス災害が起きていたとしても、その被害は雛見沢大災害には匹敵しないと考えられます。
となると、もし、「硫化水素の噴出地を他所に設けることによって雛見沢がガス中毒の被害から逃れていた」と仮定した場合、「その硫化水素の噴出孔を一斉に塞ぐことによって雛見沢大災害を起こす」というのは不可能になるわけです。
硫化水素全体の噴出量が増大でもしない限り、確かに硫化水素は村を襲うかも知れませんが、村が壊滅するほどの被害にはなり得ません。
せいぜい、古い伝説に残る過去の悲劇をなぞる程度に留まるでしょう。(生存者が出る)
となると気になってくるのが、何故1200超もの村人達が死んだのか、という点です。
私は、検出された硫化水素と、鬼ヶ淵沼直下の温泉&マグマ溜まりというのは、「凶器を火山性ガスにするため」の偽装なのではないか、と考えます。
無論、人為的な理由によって相当量の硫化水素は噴出したのでしょうが、村人全滅という惨状に至るまでには別の理由…凶器が、存在するように思います。
大災害の犠牲者の死因は、硫化水素中毒よりも二酸化炭素中毒に見える、って所見でしたよね…確か。(←捜査ファイルより)
硫化水素と何らかの物質の化学反応で、普通に火山性ガスに含まれるよりもずっと多量の二酸化炭素を人為的に生み出した…なんてのは、ありそうかなとは思うんですが…。
追記:
火山性ガスとして発生する際の硫化水素の化学反応について少し調べてみました。
H2S(硫化水素) + O2 = SO2(二酸化硫黄) + H2
硫化水素は外気に触れ、酸化して二酸化硫黄を作り出すそうです。
で、
SO2 + H2O = H2SO3(亜硫酸)
生成された二酸化硫黄が、大気中の水分と反応して亜硫酸を作り出します。
この亜硫酸が更に酸化してH2SO4(硫酸)を生み出します。
三宅島等で観測されている現象ですが、この硫酸は霧を形成し、人体に被害を及ぼします。
体組織への被害、呼吸器官へのダメージ。
つーか硫酸が自然発生した上にしかも霧になって漂ってるって事実が恐ろしいですな。
…って、話がそれました。
現在のところ、火山性ガスに含まれる二酸化炭素にだけ関して言えば、致死性が高い、とか少なくともそれが直接の死因になる、といったような事は少ない模様です。
というのも、火山性ガスに含まれる二酸化炭素の量は二酸化硫黄の含有量と比例傾向にあり…って、小難しい理屈はもういいか。
となると、何故雛見沢の住民達は揃いも揃って窒息死めいた死に方をしていたのか…という事がやはり気になってきます。
少なくとも私には、硫化水素から直接大量の二酸化炭素を生み出す方法とかは見つけられませんでした。
うーん、二酸化炭素の大量放出じゃないのかな…。
窒息死というなら別に、二酸化炭素を充満させるとか以外の方法でもいいような…。
窒息死…村中の人間を深夜のうちに窒息死させる方法…わからん。
…ちなみにコレを調べている最中、イヤな事に気付きました。
硫化水素っつーのはそもそも、腐敗ガスなんだそうです。
有機物を分解した結果生じるガス。
で、この作品のタイトルは、「ひぐらしのなく頃に」。
――ひぐらしだけが、全部知っている気がした。
ひぐらしっつうのはご存知、七年くらい地中にこもってから出てくる虫なわけです。
…。
雛見沢の地中に死体がわんさか埋まっている光景を想像してしまったんですが。