昨日の考えの根拠というか何というか

少し気になって調べてみたんですが、
綿流しの開催日は毎年違うんですね。


 昭和54年度 6月14日
 昭和55年度 6月15日
 昭和56年度 6月15日
 昭和57年度 6月20日
 昭和58年度 6月19日


曜日もバラバラ。
でも規模や内容や歴史から言って、直前に開催日をただ漠然と決めているとは思えない。
何か基準があるんだろうとは思うけど、一体何を基準に決められているんだろう…。


*  *  *  *


四年目の祟りこと北条玉枝殺人ですが、
この事件に悟史が関与し、(当日五時ごろにシミュレートしている点から)
また失踪が悟史の意思ではないと仮定した場合、(ぬいぐるみを予約し、またショーケースからも消えていた点から)
おかしな部分がいくつか出てきます。

まずひとつは、「実行犯」が犯行を自供したこと。
遺体の状況や着衣の様子などを知っていたらしいので犯人と確定されましたが、
自供後に先割れスプーンを詰まらせて窒息死。

しかもこの犯人、秘匿捜査指定に関する連絡の不備さえなければ、悟史の失踪前に「真犯人」として認められていた可能性があります。


そしてもうひとつは、名古屋行きの新幹線に乗ったという若い男。
財布をなくしたと騒ぎ、駅係員に名前を書けと言われて北条と書きかけ、消して、別の名前を書いた。
そして名古屋行きの新幹線に乗った。
遺失物の財布は届いていなかった。

この二つは、怪しさから言っても恐らくは「工作」なんじゃないかな、と思うわけですが、
二つを同じ人間の手によるものと考えた場合、次のような考え方ができます。



まず、悟史が叔母殺害を疑われているところへ実行犯が現れて得をするのは悟史です。
あるいは悟史を守ろうと考える人間。


なので、この工作は詩音あるいは魅音の意を受けた園崎組あたりが仕組んだことだろう、と考えていたのですが、詩音はもちろん魅音も実行犯の出現に関しては全くの予想外だったらしい事が目明し編で語られています。まあ、魅音がウソをついていることも考えられるのですが、死んでまでウソを貫くかどうかを考えるとやはり微妙です。


つまり魅音は実行犯役を用意させたりはしていなかった。
そして、他の雛見沢住民達も特別悟史を庇う理由を持ちませんから、園崎の態度に習い、彼らも妙な工作を行ったりはしません。


じゃあ一体誰が実行犯を用意したのか、という事になりますが、これは『悟史を消すことを考えていて、しかし逃亡犯という形で消したくはなかった誰か』、という事になるかと考えます。




そして名古屋駅で東京行きの新幹線に乗り込んだ若い男の証言ですが、
この男の行動は考えてみると変です。
財布をなくした、と騒いでて、財布自体も出てこないのに、そのまますぐ新幹線に乗ってどこかへ行ってしまうようなことが果たしてあるでしょうか。
騒ぐくらいですからただの小銭ではなくそれなりの金が入っていたものと推測されますが、
しかし財布が見つかる見つからないをその場で待って確認せず、移動してしまう。妙です。


もしこれが本当に悟史と仮定した場合。
悟史は誰にも言わず東京に向かう途中に名古屋駅で財布をなくし、
しかも「財布をなくした」と騒ぎ立て、
駅係員の目の前で「北条」と書きかけるミスをおかし、
そして東京行きの新幹線に乗って駅から去った、という事になります。

これは…いくらなんでも悟史、間抜け過ぎではないでしょうか。


つまりこの事は、財布をなくした事を口実として、若い男に駅係員の目の前で「北条」と書きかけ、そしてそれを隠すような素振りを見せさせたかった「誰か」による工作だったのではないか、と考えます。
警察が悟史の行方を調べることを前提として、それらしい目撃証言を作成しておいたものと思われます。




で、上の二つをまとめると。



悟史は誰かによって“消される”事が叔母殺人事件以降くらいから既に確定していたが、
しかしその失踪が「殺人容疑を向けられての逃亡」になるのは好ましくなかった。


その為の準備として、悟史に疑いの向けられている殺人……北条玉枝殺人に、「真犯人」が用意される。
麻薬中毒者を買収あるいは篭絡、叔母の遺体の特徴や着衣などを教え、警察でそれを話すように仕向ける。
で、別件で取調べを受ける麻薬中毒者、事件についてほのめかす。
そのため担当取調官が興宮署に犯人発見の報を送ろうとしたが、秘匿捜査指定の誤認のために「そんな事件は起きてない」と回答してしまう担当者。
担当取調官は男の妄想と思い供述を放置。
そのまま男は死亡。


で、警察内のほんの手違いから、悟史にかかった容疑が晴れなくなってしまった。
このまま悟史を消さざるを得なくなる。
…叔母殺害の容疑が晴れた後ならば、もし悟史が消えても「若い者の家出」「ショックを受けた」で周囲もある程度は納得し、かつ事件性も疑われずにすむ。
しかし殺害の容疑がかかったままで、なおかつ大石達が悟史を追い込み、落としにかかっている現状では、放っておくと悟史は警察に拘置され、「消せなく」なってしまう。
現に、悟史は一度任意同行を受け、詩音の申し立てたアリバイによって事なきを得たものの、状況は既に予断を許さない状況になっていた。


沙都子の誕生日に貯金を使用する、という事が事前にわかっていたためか、沙都子の誕生日、雛見沢から離れた悟史を誰かが襲い、“消してしまう”。
しかし悟史はその時既に10万近くしたぬいぐるみを購入し、逃亡に耐えるだけの所持金などまるで持ってないような状況だった。
しかし、後に調べた警察はその点はあまり重視しなかったらしい。


悟史を消した日のうちに、「若い男」によって「身分を隠しつつどこかへ向かう北条悟史」の目撃証言が作られる。


*  *  *  *  *


以上。


初年度の祟りで消えた人は、殺人犯のまま消えたじゃないかよ…と言う事もできますが、
アレは恐らく、あの晩の内に人目につかず始末できたからオーケーだったのでしょう。
つまり解りやすく言えば、消す対象に警察の監視の目が及んでいる状況で“消す”のは避ける、ということなのでしょう。



北条玉枝の遺体の状況を詳しく知っていて、かつ麻薬中毒者を買収するなりいろいろ細工を施すなりできそうで、悟史の状況とか沙都子の誕生日とか知ってそうな人と言うと……やっぱり、入江くらいしか考えられないんですけどね。
まあ、悟史を消したのは単独犯ではないだろうなとは思います。
仮に入江としても、「若い男」による目撃証言作成の件もあるし、協力者は必要不可欠でしょう。



あと…ひとつ気になる点としては、


悟史に彼女の言う「オヤシロ様」の症状が現れた事に気づき、沙都子を捨てて逃げ出したいという気持ちを打ち明けられたレナが、悟史に何をしたのか。はかなり重要な気がします。

いや、「逃げたらオヤシロ様追ってくるよ、私もそうだったもん」とか助言するだけにしておいて、あとは何もしなくても良さそうなもんではあるのですが、鬼隠し編で圭一に「相談」を迫るレナの態度はちょっと常軌を逸しているので……。

悟史はレナに相談をしましたけど、だからといってレナがそこで大人しく状況を見守るとは限らず、
…例えばですが、

沙都子の誕生日、沙都子にバースデープレゼントを買ってやるために今まで貯めたお金を全額引き下ろしに行った悟史…イコール、
意地悪な叔母はいなくなり生活は平穏に戻ったけれど、叔母を実際に手にかけてしまったかも知れず、また警察からも叔母殺害の容疑をかけられ、実際は以前の生活に身を置いていた時よりももっと逃げ出したい気持ちが膨れ上がっているかもしれない悟史。

…その悟史が、“本当に沙都子へのバースデープレゼントを買ってちゃんと雛見沢へ帰ってくるのか”をきちんと見張るため、レナが悟史の後を尾けていったという可能性もまた、存在するように思います。

考えすぎとも言えますが、鬼隠しでの圭一の行動への監視ぶりを見ているとあながち否定できないものがあります。

ていうか、うわぁ…想像しただけで怖ぇ…。怖えよレナッ。


…まあ、悟史は多分本当にぬいぐるみを購入しているので、
(悟史がぬいぐるみを購入したことにするため、別の人間が購入したという事も考えられますが、悟史は予約もしていますし、また警察もぬいぐるみの有無、悟史が買ったとか買わないとかの検証はあまり重視していませんでした。不可能だったってのもありますが。悟史失踪に関してぬいぐるみをショーウィンドウから消しておくメリットはあまりないので、恐らく悟史が買ったものと考えます。)
この場合も、レナが悟史に対し何らかの行動に出たとは考えにくいのですが。

レナは安心してストーキングをやめ雛見沢へ戻り…その背後では得体の知れない連中にさらわれてゆく悟史。
う〜ん。シュールだ。